地盤改良工事で気を付けたい重要項目4選!

ソリッドキューブ工法協会コラムトラブル地盤改良工事で気を付けたい重要項目4選!

そもそも地盤改良とは

地盤改良とは、軟弱な地盤を安全で質の良い地盤に改良する事を言います。
改良工事では、地盤調査によって軟弱と判断された地層・地盤に手を加える事で強固な改良体を作ります。
もし軟弱な地盤の上に、何もせずに建物を建ててしまった場合、基礎ごと建物が沈下、傾いてしまうといった問題が起きる可能性があるため、地盤改良工事は建物を建てるにあたって必要不可欠な工事の一つなのです。勿論、もとから強固な地盤があり、改良工事が必要ないと判断された場合には不要です。

ちなみに計画地の地盤が軟弱かどうかは、地盤調査の結果で判断します。決して業者や工務店が儲けたいから地盤改良工事を勧めている訳ではありませんので安心してください。

改良が必要な状況とは

地盤調査で軟弱な地層が出てしまった時

地盤調査では一般的にスクリューウエイト式貫入試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)やボーリング試験といった調査方法が用いられ、計画地の地盤にどれくらいの支持力があるのかを調べます。この調査結果で地中に弱い地層があった場合、地盤改良工事が必要と判断されます。

軟弱地盤がわかる地盤調査!その結果で実施が必要な地盤改良工法とは?

埋立地での建物を計画している時

埋立地で建物を計画する場合、十中八九、地盤改良工事が必要となります。というのも、もともと海だった場所を土で埋めているので地盤の水分量が非常に高く、地震によって液状化現象が起きて建物が沈下する恐れがあるためです。

勿論埋立地で建物が建てられない訳ではありませんが、建物を支えるのに十分な支持力を持った地層まで杭や柱状改良を設けなければいけないため、一般的な土地を改良するよりも費用が高くなってしまう傾向があります。

盛土がされている土地だった時

埋立地と同様に、盛土がされている土地も地盤改良工事が必要となる場合が多いです。盛土に用いられる土の多くは支持力を発揮するには不十分で、地盤沈下が起きやすく、またコンクリート片等が入っている可能性もあるため、しっかりとした調査と改良工事が必要不可欠といっても過言ではありません。

避けたいトラブル

近隣との騒音・振動・粉塵問題

工事の際に気になる点の一つが周囲への影響です。重機を使うとかなりの音や振動が発生しますし、少なからず粉塵も飛び散ります。また、近隣の人からしてみれば不特定多数の人が出入りする事となるためタバコやゴミ捨てのマナー等もクレームの原因となる場合もあります。

こうしたトラブルは出来る限り事前に対処をしておく事でよりスムーズで、精神衛生上も問題無く工事を見守る事が出来るでしょう。基本的には工事を行う工務店や業者が前もって近隣住民へ工事計画のポスティングや挨拶まわりをしておいてくれます。

しかし、お隣さんになる方等、より被害を受けやすい場所の人達には直接施主(この場合は自分ですね)が赴いて一言挨拶と説明を行う事で、かなりトラブルの発生率を下げる事が出来ます。

遺跡などの埋設物

遺跡などの埋設物が周囲で出た過去のある土地を計画地にしてしまった場合は特に注意が必要です。
埋蔵文化財がもし工事の途中で出てきてしまった時は、所轄の市町村に連絡をして対応を待たなければならず、その間工事を中断する必要があります。

しかも、もし発見された埋蔵物が重要なものであった場合、施主が費用を持って埋設物の掘削を行わなければいけなかったりする可能性もあります。
もし土地から選んで建物を立てる場合は、県によっては埋蔵文化財マップといった大まかな発見エリアを示したマップがあるので、そちらを参考にしてみると良いでしょう。

工事までの順序

建物の範囲や構造決定

まず初めにどんな間取りの建物を建てるのかが決定されていないといけません。特に重要なのが建物の構造(木造、コンクリート、鉄骨等)範囲(計画地に対してどれくらいの広さ・形状の建物を建てるのか)そしてその規模(2階建てなのか、それ以上なのか、等)です。この3点によって建物から地盤にかかる荷重が大きく異なってくるため、まずはどういった建物を建てるのかを十分に検討しておく必要があります。

地盤調査

建物のプランが決定したら、次は地盤調査です。一般的にはスクリューウエイト式貫入試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)という調査方法で、計画している建物の4隅と真ん中の合計5点が乗っかる位置を調べていきます。この調査の結果で軟弱な地盤がどれぐらいの深さにあるのか、どんな土層になっているのか、といった詳しい情報が得られます。

地盤調査の目的は?ボーリング調査やSWS試験で建築物に適切な地盤が分かる!

改良方法と費用の選定

地盤調査の結果、地盤改良が必要と判断された場合は最適な改良方法を検討します。
地盤や施工条件の他に費用・工期も考慮して工法を選定します。不明な点は事前に工務店に説明を求めましょう。

地盤改良工事のメリットと改良費用の相場を知る

まとめ

いかがだったでしょうか。ひとえに地盤改良工事といってもその工法は様々で、
予算や周辺環境、地盤の土質によって大きく変わってきます。また、施工する業者や工務店の得意な工法かどうかや、技術力等も重要なポイントです。

何も知識がないまま改良工事を受け入れてしまうのと、ある程度の勉強をしてから業者の話を聞くのとでは理解度やその後の想定の質が段違いです。
一生に一度とも言える「自分の家を建てる」人生の一代イベントです。
勉強や、色々なリサーチは大変かとは思いますが、後で後悔しないためにも今回の記事がお役に立てていたら幸いです。